はじめて売場担当になった登録販売者に必要な計数管理の基礎

「はじめての売場担当で、数値管理を勉強したい」

「計数管理とかよくわからない」

「クスリの勉強は好きだけど、数字は苦手」

「ヘルスケアの勉強で手一杯!カンタンに教えて」

この記事ではそんなあなたのために、売場で使う計数の基礎をご紹介します。

出来るだけシンプルにお伝えしますね。

けんぼう

この記事を書いた人
ドラッグストアで25年以上、現役の登録販売者。
店長歴10年以上、本部バイヤー11年。
アラフィフからブログとTwitterをはじめる。
趣味:読書とウォーキング

目次

売上高にもいろいろある

まず売上高ですが、全体の売上をいくらながめても対策は見えません。

せいぜい天気が良かったから売れた、雨のせいで売れなかったぐらいです。

最初に売上をいろんな要素に分解してみます。

そしてどこを改善するか見当をつける必要があります。

数字は小さくしていくと、やることが見えてくる。

まず店全体の売上は以下のように要素分解できます。

客数と客単価で分ける

売上高=客数×客単価(一人あたり売上)

客数が下がっていれば、販促や競合の出店などの影響を考えます。

例えば客数に問題ありと出たら、店で出来る対策はなんでしょうか?

レジでのポイント会員の声かけ?⇒もうやってますね。

ではクスリのカウンターに会員カードを置いて、
医薬品の接客をしたら最後に「カードはお持ちですか?」と声掛けすればチャンスは増えませんか?

また客単価が下がっていれば、欠品や陳列に問題がないかを考えるといったように使います。

自分のお店がまずどんな状況か、数値を把握しましょう。

季節指数

また売上高を月別の指数に分解してみる方法があります。

特に医薬品は季節指数の影響を受けます。

これには2つの方法があります

  1. 年間を100として各月の割合を求める。
  2. 月の平均を計算し、各月を100分率で表す。

売場で使うのは2の方ですね。1は予算つくるときに使います。

1月2月~~11月12月
季節指数96%93%105%130%
季節指数=各月の売上÷平均売上×100
上の数値は適当です

この季節指数を考えて発注を行います。
増税や冷夏・猛暑などの影響を加味して判断してください。

特に花粉症のクスリなどは当たり年と、はずれ年の差が大きいのが特徴です。
2倍以上の差がつくこともあり、予測が大事なカテゴリーです。

また季節指数は3年分を比較して使うことが多いです。

1月2月3月~
2019年95%94%102%
2020年98%95%100%
2021年96%93%103%
中身の数値は指数でなく、売上実績や粗利額なども使います

平均化されて傾向がつかみやすくなります。

人時売上高

店の生産性を表すのが人時(にんじ)売上高です。

人時売上高=売上高÷総労働時間

たとえば月間売上:3000万円、月間の労働時間:2000時間のケース。

3000万÷2000時間=1万5000円

この1万5000円が人時売上高です。

高ければ効率よく運営できるということですが、高すぎる場合は人手が不足している場合もあります。

坪あたり売上高

こんどは売上を人ではなく、売場面積で見る方法です。

坪あたり売上高(坪効率)=売上高÷坪数

先ほどの売上:3000万円、売場面積:200坪のケース。

3000万÷200(坪)=15万円

これは1坪で15万円の売上という意味です。
この数値は大型店になると低くなる傾向があります。

逆に駅前型のドラッグストアは、この坪売上が非常に高いのが特徴です。

ですから店舗間で比較する場合は注意が必要です。

では利益の計算の仕方を見ていきましょう。

予定の「値入」と結果の「粗利」

値入と粗利の違いを知ってますか?

値入とは80円で仕入れたものを、100円で売った場合20円の利益が出ますね

この20円を儲けようという予定の利益を値入高といいます。

「値段を入れる(決める)」から「値入」と覚える。

一方で粗利は結果の方を意味します。

100円で売れると思ったけど、残りそうだから値下げをした。

商品が破損したり、期限切れをおこして廃棄をした。

ロスを加味して実際の残った利益のことを粗利といいます。

それぞれ計算式を確認しておきましょう。

値入率

値入率は予定なので計算式はシンプルです。

値入率(%)=(売価ー原価)÷売価×100

80円で仕入れをして、100円で売る場合。

(100ー80)÷100×100=20%

売価に対して利益の割合のことですね。

粗利益率(売上総利益)

粗利益率は先ほどご説明したとおり、値引き廃棄といったロスを計算に入れます。

粗利益率(%)=(売上高ー原価計)÷売上計×100

一見すると値入と同じに見えますか?

実は大きな違いがあります。

例題を見てみましょう。

80円で仕入れて100円で売る場合。

8個は予定通り100円で売れ、残り2個は90円に値下げをして売った場合。

売上=(100円×8個)+(90円×2個)=(800円+180円)=980円

粗利益率=(980円ー800円)÷980円×100=18.36%

2個値引きしたことによって、値入20%の商品が粗利18.36%まで下がりました。

この違いは理解しておきましょう。

値引き率

一般的に値引き率は、実際の販売額に対して何%値引きしたかを計算します。

売価5000円の商品を1000円値引きして4000円で販売したケース。

この値引き率は、20%ではなく25%となります。

最初の売価 5000円
値引き額  1000円
販売高   4000円
値引き率  1000円÷4000円×100=25%

元値ではなく実際の販売高(売上高)で割り算します。

これも慣習なのでそのまま覚えましょう。

ロス率

期限切れや汚損などにより商品を廃棄することがあります。

ロス率も値引きと同様に、元の値段ではなく売上高から算出します。

ロス率(%)=ロス高÷売上高

以前の医薬品業界は返品制度により、毎年過剰に商品を投入したくさん返品をしていました。

近年ではそうした慣習も改善されつつあり、以前ほどリベート目的の過剰投入は少なくなっています。

逆にコロナ渦で減少した大量窃盗は、人流の回復に比例し被害が急増しています。

各社とも人員コストと、ロス対策で頭を悩ませていることでしょう。

商品回転率って単位が率じゃない?

商品回転率とは、一定の期間内で商品が何回転したという計数です。

回転と言ってもまわるお寿司のことじゃないですよ。

在庫が売れて、また仕入れしてということを指します。

本来は3つほどあって、

  1. 売価回転率
  2. 原価回転率
  3. 数量回転率

1と2は金額、3は数量で計算します。

この記事では売場担当者向けなので、3の数量回転率のみご説明をします。

商品回転率(数量)=売上数量÷平均在庫数量

商品回転率とというのに、実際の計算後の単位は〇〇回転と呼ぶ不思議な?計数です。

たとえば、A商品が販売期間で100個売れ、平均10個の在庫だとすると

商品回転率=100個÷10個=10回転

なぜ単位が変わるのかは僕も知りません。

以前の小売業では、この回転率に粗利率をかけて

交叉比率というのを重視していました。

現在ではあまり使われませんが、計算式だけご紹介しておきます。

交叉比率=商品回転率×粗利益率

商品回転率が10回転で粗利益率が20%の商品は、

交叉比率=10×20=200

このように計算します。今はあまり使いませんけどね。

ドラッグストアでクスリの在庫金額はとても大事

最後に在庫のことについて触れておきます。

最近はAIによる自動発注など担当者の裁量は減っています。

しかしドラッグストアにとって、クスリの在庫金額が重要なことに変わりはありません。

なぜなら仮に売上構成比が20%位でも、在庫の構成比では40%近い店もざらにあります。

定番はAI発注、山積みは本社なので自分は関係ないと思いがちです。

ですが在庫を消化、販売する責任は店側にあります。
どうやって売るかを考える必要があります。

これからの登録販売者はより一層、「売ることに長けた人」が評価をされるようになるでしょう。

医薬品の販売力をあげるための関連記事をご紹介しておきます。

関連販売で、点数をあげる方法はこちらの記事をどうぞ。

まとめ

今回は売場をはじめて担当することになった方向けに、できるだけカンタンに計数管理の基礎をご紹介してきました。

ドラッグストアで登録販売者は医薬品という「核部門」を担当します。

医薬品の管理レベルは店全体に与える影響は大きいです。

数字が苦手だなという方は、何か計数に関しての専門書をひとつ買っておきましょう。

より上位の内容を知りたいかたは、店長向けのこちらの記事をどうぞ。

計数管理の基本は不変なので、中古本で十分です。

こちらの記事が計数の勉強をするきっかけになれば幸いです。

最後に数字の勉強におすすめの1冊をご紹介しておきます。

ペガサスクラブというセミナーに行かないと聞けない内容で、
数字に関することはこの1冊に要約されています。

あと本来はフードサービス向けの本ですが、小売業にも共通して使えるエッセンスが詰まっているこちらの本もおすすめです。

自分が昔コンサルタントの先生に紹介してもらって購入しました。

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