成果を評価にかえる|小売りで使う計数管理 19 選と勉強法

店に与えられた利益計画を達成するのが小売業の使命です。

ウォルマートの創業者サム・ウォルトンは、店をまわり店長に直接数字を確認していたのは有名な話。


本部にいても数字はわかりますが、あえて店長に聞く。

そうすると、店長が自分の店の数値を普段から確認するようになるからです。


皆さんも会社の上層部が訪店したときに、きちんと数字で答えられるよう準備をしておきましょう。

それだけで心象もよくなり、昇進や昇給の機会が早く訪れるようになります。

けんぼう

こちらの記事では現場で必要な計数についてご紹介します。
読み終わると計数管理の勘所が身につきますよ。

目次

数値管理の前に、売上の構造をまず理解しよう

売上の構造を知る事

売上高をチェックする際に、売上高についておさらいします。

売上高=客単価×客数

客単価が下がり、客数も減ってしまうと売上高は大幅に減少します。

ジリ貧の店はこの状況のことが多いです。

あまりありませんが客単価が下がっていても、客数が大きく伸びれば売上は伸びます。

しかし実際にこのケースはあまり見たことがありません。

お客さまから支持をされている店は、客単価も上昇することが多いからです。

次は客単価を分解してみましょう。

初回客
目的買いの客数
入店客数リピート来店客
買上点数 ×衝動買いの客数
買上率
売上高 ×
買上点数(点数の中身)同一まとめ買い
客単価 ×関連購買
一品単価・・・1品の平単価

客数は「会社の販促の頻度や内容」に大きく影響をされます。

長い目で見れば店の接客でリピーターを増やす方法もあります。

しかし短期的には

  • チラシの回数
  • ポイント販促の回数
  • ポイントの倍率
  • クーポンの配布

など販促策の方が影響が大きいです。

ですから現場でコントロールできるのは、買い上げ点数一品単価になります。

特に点数は現場での欠品や陳列で変化をするので、店長の腕のみせどころです。

一品単価は定番の構成で変わる。

またチラシ売価の強弱に大きく影響をされます。
だから店舗でコントロールほぼ出来ない。

買上げ点数をアップする具体策
  • バンドル販売(2個○○円など)を追加する
  • 複数購入で景品のプレゼント
  • 会計時○○円以上買上げでポイント増加

売上不振時の6つのチェックポイント

売上が不振のときは次の6つの項目でチェックしましょう。

  1. 店のイメージが悪くなっていないか
  2. 品揃えが悪いのではないか
  3. 価格が高いのではないか
  4. 商品の質に問題はないのか
  5. 販売促進の不足はないか
  6. 立地条件に変化が起きていないか

この6つの項目をしっかりチェックして、
具体的に何が改善できるかまで落とし込む必要があります。

店長・売場責任者が知っておくべき計数管理19項目

全ての規模の店長・売場責任者に必要な重要数値7つ

  1. 1日の時間帯別客数
  2. 客単価
  3. 入店客数・・・レジ以外も含めて
  4. 日別売上高予算と実績(売り込みたい商品が売れているか)
  5. 従業員一人あたりの売上高(パート・アルバイトは8時間換算)
  6. 坪当たり売上高(労働生産性を構成する要素のひとつ)
  7. 労働生産性もしくは、人時生産性

*人事生産性=荒利益高÷総労働時間

入店客数はどこかで計測をしないとわからないです。
営業時間が長い店は結構負担ですが、

アルバイトとかを使って調べておくとよいです。

それ以外の項目は現在のチェーンストアであれば
POSデータと組み合わせてすぐ計算ができますね。

労働生産性については、詳しく解説した記事があるので計算方法などは参照して下さい。

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大型店の店長や地区長がおさえたい12個の計数(数値)

  1. 坪あたり投資額
  2. 総経費はいくらかかっているか
  3. 売れ筋商品・死筋商品の別
  4. 商品部門回転率、構成比
  5. 商品回転率と回転日数
  6. 祭事などの客動員の予定と実績
  7. 商圏(一次商圏80%、二次商圏はその外円の15%、三次商圏は他店に取られる傾向にある)
  8. 月別目標売上高
  9. 損益分岐点売上高
  10. 各部門の粗利益率ミックスの手法(次の項目で説明します)
  11. 客層構成(商圏からみて適正か)
  12. 月別予定売上比率と実績

月別の売上予定表の作り方は、下記の計算から作成します。

月別売上比率=(月別売上高実績÷年間売上高)×100
月別比率を3年分位集計して、月々の平均を出します。

小売業の戦いは、現場の店長のマネジメントの戦いとも言えます。

本社からの指示を待つだけでなく、自ら数値を分析し積極的に提案・具申を行いましょう。

相乗積を利用した荒利益ミックスの手法

各部門の粗利益率から、全体の荒利益率を求めるには、
各部門の粗利益率にその売上構成比をかけて出た値を合算します。

表で見た方が分かりやすいので以下の表を確認して下さい。

部門別荒利益率売上高に占める割合①×②=③掛け算すると①+②+③(相乗積)
A商品25%50%0.25×0.5×100=12.5%
B商品23%30%0.23×0.3×100=6.9%23.4%
C商品20%20%0.2×0.2×100=4.0%

売上構成比と荒利益率

部門別   売上構成比     荒利益率   相乗積   
A部門60%25%15.0%
B部門30%23%6.9%
C部門10%20%2.0%
100%23.9%

最初の重要7項目とこれらの12項目を合計して
計19項目が小売業の現場で必要な計数管理です。

課題の発見から対策実施までの4つのステップ

店長が計数管理をする目的は、店舗の課題を見つけ対策を実行するためです。

対策を実行するまでに、4つの手順ですすめます。

  1. 不振(課題)が何処にあるか6つのチェックポイントから探す
  2. 課題の本質・原因を検討する
  3. 仮説を立て、対策案を立案する
  4. 対策を実行し、検証する

冒頭にご紹介した6つのチェックポイントに従って、まず課題を探します。

この時に計数を利用して、自社の同規模の店舗と比較、
業界平均との比較をすると問題が見つかります。

問題が見つかったら、本質的になにが原因かを検討します。

課題を見つけるときに、MECE(ミーシー)という考えかたが便利ですので、
詳しい内容はこちらの記事で解説をしていますので参考にして下さい。

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以上が店長がおさえておくべき数値19項目になりまます。

19項目あるなかで、特に重要なのが、

  • 平均客単価
  • 売れ筋と死筋
  • 労働生産性もしくは人事生産性
  • 経費率
  • 月別売上高
  • 月別人件費率

強い店長=数字に強い店長とおなじことですから、
数値はいつも意識して営業活動をしましょう。

計数管理の勉強方法と実務に生かせる3つのステップ

最後に計数管理の勉強の進め方について、
ご説明したいと思います。

「数字が苦手だな・・・」という方は、
これからご紹介する3つのステップに沿ってすすめましょう。

ステップ1 毎日数値を確認するところから始める

数値を管理する前に、まず見ることからはじめましょう。

計数管理が苦手だなという方は、
圧倒的に数値を見る時間が足りてないことが多いです。

ダイエットをするときに「毎日体重をはかりなさい」というのと同じで
毎回出社をしたらまず昨日の数値と昨日までの実績を見ましょう。

毎日数値を見ていると数値の変化に気が付くようになります。

動き出す前に5分でもいいので数値の確認するくせをまずつけます。

ステップ2 目標を立てることをはじめよう

会社の予算を追いかけるのは当たり前で、
自分で追いかける目標を立てましょう。

最初は単品レベルでも構いません。

A商品を月間500個売ると決めたとします。

そこから展開場所やPOPでどう訴求するか、
初回にいくつ発注入れるかなどを決めます。

自分で立てた目標に対して進捗を追っかけていく
ことが出来る人が「数字に強い」ということです。

実務では決して計算が早いとか、
暗算が得意といことは関係ありません。

Excelのような表計算ソフトがある程度

使えれば効率はよくなります。

表計算ソフトもあまり使ったことない方は
こちらの記事がおすすめです。

ステップ3 人に話をして血肉にかえる

毎日数値を確認し、自分で目標を立てて実行し
結果が出てきたら朝礼で報告をしましょう。

自分の中でかかえていてもあまり役に立ちません。

周りの協力を得るのも大事ですし、
アウトプットすることにより自分の訓練になります。

知識を経験の通った知恵にかえて自分の血肉となるまで、
繰り返しましょう。

朝礼やミーティングの時間に人の話を聞くだけでなく
ぜひ自分で話す時間をもらって発表して下さい。

まとめ

よく「難しいことはわかりませんが、売り上げの上げ方は知ってます」

という現場に強い方がいます。

若い時はそれでもいいのですが、
経験を重ね部下が出来たりすると途端に困ったことになります。

感覚で覚えたことは人に教えられないからです。

伝統芸の職人の世界なら仕方がありませんが、
チェーンストアでは数値で会話できることが重要です。

人事異動もありますし、後任への引継ぎもあります。

こちらの記事を読んで頂いて、少しでも数値に基づいて
成果を評価にかえる人が増えると僕も嬉しい限りです。

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