後発企業や個人事業主の方が取るべき、弱者が「勝つ法則」ランチェスター戦略を解説します

後発企業や個人事業主の方が取るべき、弱者が「勝つ法則」ランチェスター戦略を解説します

リテールマネジメント

弱者が強者に勝つ為の、マーケティング戦略

ビジネスの新人や後発企業が市場で勝つ為に、ランチェスター戦略を実践する必要がある。

ランチェスター戦略を学ぶと、

どの市場なら勝てるのか、何の商品・サービスなら勝てるのか?

勝つ為には法則があることを知ることが出来る。

勝ち方に法則があったら知りたくはないですか?

特に商品開発の担当者、新規事業の担当者、中小企業へお勤めの方に読んで欲しい。

ランチェスター戦略とは、競争を優位に運ぶための、「マーケティング戦略」のことである。

ランチェスター戦略とは

ランチェスター戦略とは、1972年にマーケティングコンサルタントの、「田岡信夫」と社会統計学者「斧田太公望」がランチェスターの法則をモデルに開発した競争戦略のこと。

ランチェスター(Frederick William Lanchester)は人の名前

  • 1868年~1946年 ロンドン出身
  • 自動車工学・航空工学の研究者。法学博士。
  • 英国初のガソリン自動車を開発・製造。
  • 第一次世界大戦の航空機の空中戦闘を分析し、「ランチェスター法則」を発表。

田岡 信夫

  • 1927年~1984年。
  • 東京都立大学大学院卒。
  • 社会心理研究所主任研究員・日本広告主協会調査室長
  • 64年経営統計調査会設立。
  • 第2次世界大戦後にランチェスター法則を知り、マーケティング理論へ応用。
  • 主な著書「競争市場の販売予測」「ランチェスター販売戦略(全5巻)」「実践ランチェスター法則」「図解ランチェスター法則入門」などがある

ランチェスター法則は、戦いを支配する力の法則のことである。

  • 「集中と分散」・・・集中の威力と分散の危機
  • 「弱者」が強者に勝つ為の条件と限界

ランチェスター法則を取り入れた企業はたくさんあるが、松下幸之助もその一人である。

彼は実際に田岡の指導を受けている。

松下電機産業の販売店向けにたいして、

ランチェスター法則を実践するための「泉会」まで創設している。

ランチェスター法則の2つの法則

ランチェスター法則は次の2つの法則から構成される。

ランチェスター法則 第一の法則(一騎打ちの法則)

武器の性能が同じ場合、戦闘力は兵力の数に比例する。

同じ能力の兵士が10人対7人で戦った時、少数が全滅した際に勝者は3人生き残る。

例えば槍をもった歩兵同士の戦いの場合を想像して欲しい。

互いに戦う相手を特定し、それぞれ「一騎打ち」を展開する場合の例がこれにあたる。

単純に兵数の差が生き残った兵士の差として計算される。

ランチェスター法則 第二の法則(集団戦闘の法則)

第2法則は互いに機関銃で、相手の部隊に無差別で発砲するような集団戦闘のケース。

これを確率戦と呼び、武器の性能が同じなら戦闘力は兵力の2乗に比例する。

同性能の機関銃10丁と7丁の部隊が交戦した場合。

戦闘力は100(10の2乗)対49(7の2乗)になる。

100-49=51。√51=7。

上の式は7丁の部隊が全面したときに、10丁の部隊は7人生き残るという意味である、

確率戦闘の怖さがここに現れる。

ランチェスターの法則から導きたした日本発の2つの戦略

ランチェスターの第2法則により、兵力の劣勢の側が優勢側に勝つ条件と、がんばっても勝てない条件が明確に示されている。

弱者の戦略

強者とは正面から戦うのを避け、局地戦・接近戦を挑む。

弱者は特に兵力の分散を避けるべき。

ビジネスの世界においては、

  1. 勝てる分野に絞る(大手のサービスが薄い分野)
  2. 勝てる価格帯をさがす
  3. 勝てる地域はどこか

「戦力の集中、分散の回避」弱者ではこれが決定的に重要である。

勝ち目のないところで力を入れても、勝てるチャンスを逃すことになる。

現在勝てそうもない分野であれば、撤退する決断も必要となる。

強者の戦略

強者の戦略とは弱者との接近戦を避け、関節的・遠隔的な確率戦を挑むことである。

例えば大手メーカーによる、フルラインナップ政策などがこれにあてはまる。

また大型量販店が広域にチラシ広告を投下し、価格と品揃えの豊富さを訴求し確率戦に持ち込む戦術がこれにあたる。

メーカーであれば、フルライン戦略などは想像がつくだろう。

また資金力と開発力に豊富なメーカーであれば、競合他社の新製品をまねてより品質の高い類似品を市場へ送りだすことも有効である。

これを「ミート戦略」という。

かつての松下電機は「まねした」と同業から揶揄されたこともあるが、立派な競争戦略である。

市場を占拠する目標モデル

ランチェスターの戦略モデルから、市場の占拠率となる目標モデルが考案されている。

市場占拠率目標モデル

  1. 上限目標値 74%:絶対的な安定通知
  2. 安定目標値 42%:安定的な強者の立場、独走態勢の始まり
  3. 加減目標値 26%:強者と弱者のボーダーライン
  4. 上位目標値 19%:弱者の中の相対的強者
  5. 影響目標値 11%:存在がマーケット動向に影響を与え注目され始める
  6. 存在目標値  7%:存在が競合に認められる
  7. 拠点目標値  3%:存在自体は無視されるが、なんとか存在出来る

またどんなに戦略をとってもかなわない限界値も示されている。

  1. 弱者の戦略でも、マーケットシェア率が3倍以上の相手には勝てない
  2. 強者の戦略では、マーケットシェア率が1.7倍以上の相手には勝てない

ビジネスの世界においては、自分より弱いものいじめの法則が有効である。

ランチェスター戦略の企業事例

ここでいくつか実際の企業で導入された例を見てみよう

弱者の事例 イー・モバイルの例

イー・モバイルはNTTドコモ・au・ソフトバンク・に続く4番目の携帯電話会社として2007年に市場に参入した。

当時すでに携帯電話の加入者数は9500万人に達している市場への新規参入である。

そこでとった戦略が、東京・名古屋・大阪へ資源を集中し、音声通話ではなくデータ通信サービスに特化をして差別化し、その領域では絶対的優位を狙う弱者のランチェスター戦略を実施した。

結果モバイル・ブロードバンド・データで他社を寄せ付けない強さを獲得した。

コカ・コーラのフルラインナップ戦略

元々は炭酸飲料メーカーからスタートしたコカコーラですが、直近では檸檬堂というアルコール系飲料へも参戦し大きな成功を収めています。

炭酸・緑茶・紅茶・コーヒー・水・炭酸水と、もともとアルコール以外の飲料について全てのジャンルに商品を投下しており、日本ではサントリーと2分する勢力をもっています。

豊富な資金力と広範な販売ルート、自社の流通網をきずき高いシェアを維持すつづけています。

近年アルコール飲料にも参戦したことで、さらにマーケットでの強さを発揮していくことでしょう。

弱者の理論 H・I・Sの例

旅行業界で後発の企業エイチ・アイ・エスでは、当時大手が手を出さない地域や、「格安航空券」などを売りに、学生などの人気を集めそこを足がかりとして急成長をしていった。

常に新しいマーケットに挑戦し、新しいマーケットを想像してきた企業である。

まとめ 自らの経験も踏まえて

このブログをご覧になっている方は、ほぼ弱者の戦略が必要な方が多いと思う。

抽象的な話ばかりでは分かりにくと思うので、私の過去の事例からご紹介しよう。

私が若手時代に努めていたチェーンストアでは、実際にランチェスター戦略に則り「新規出店」を行って急速に立ち上げて行った経験がある。

例えば新規出店する際の違いは

通常のチェーンストア:商圏人口の多いところへ出店

弱者の戦略を使った出店:店がなくて困っている田舎地域へ出店

駅前繁華街などは、競合も多く店舗自体のブランド力がものをいう。価格競争も厳しい。

それに対し買い物する店が少なく困っている田舎地域であれば、大きな売り上げはとれないが競争相手も少ない。家賃も安く済むので損益分岐点も下がる。

今では時代も変わり、この例がそのまま通用はしないが地域や品ぞろえ、ボリュームとする価格帯をどう設定するのかなどは、現在でも必要な理論である。

また最近流行りのWebビジネスなども応用できる

例えば「誰にむけて」「どんな悩みを解決」するかを検討する時に考えててみる。

先駆者はどの位強いか、その分野で勝てるか、もっと細分化できないかなどは、

全てランチェスター戦略の具体例である。

使い古された理論と思わず、現在でも通用する基本原則なので常に頭の隅において欲しい。

ランチェスター戦略について詳しく学びたい方には、参考図書を紹介しておきます。


ランチェスター思考 競争戦略の基礎 [ 福田秀人 ]


小山昇の“実践”ランチェスター戦略 成果を確実に出し続ける科学的な方法 [ 小山昇 ]

まんがで身につくランチェスター戦略 (Business ComicSeries) [ 名和田竜 ]

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